私はキセルくんに女の子を物みたいに扱う人になってほしくなかったというか。
〝好みの子がいるなら紹介するぜ〟みたいな台詞を推しの口から聞いて何も思わない女性がいるのかが謎、なんだけどもまあそれは、〝普通の女性〟でない僕がそういう言い方をするのはずるいと思うのでするのはおかしい。
なんていうか、今の「花街」は花街とは言い条、実態は当時とはかけ離れていてどのキャストも自分の希望でここを職場としていて、労働者としての権利を守られながら主体的に仕事をしているんだという描写がしっかりあったならぜんぜん話は違っていたと思うんだけども。
一度は廃止された搾取構造をわざわざ復活させて喜んでいる側……になってほしくなくね? 推しに……。すげー嫌なんだけど……。
嫌だけど、もしもそうなんだとしたら今後、それはだめなことなんだよ問題があることなんだよって物語の中できちんと言及されてほしい。
キセルくんて世界帝軍と戦いながら、でもあの兵士たち一人ひとりも人間だったんだよなって思って落ち込めるめちゃくちゃ優しい子だったじゃないか。
まあ女性差別のことになると思考がバグる〝優しい人〟なんて現実でも珍しくないけど、いや、なんで架空の物語でそんなこと諦めねえといけねえんだ……虚しすぎ……所詮架空でどうとでもできるのに諦めないといけないのは虚しすぎなのだが。
メインストーリーを一回しか読んでないのでそこは申し訳ないのです。二回目は個々の絆レベル上げやクエスト攻略に一旦満足して落ち着いてからになると思う……というかこういう纏まった(纏まってない)感想みたいなことももう暫く書けないと思っていた、落ち着いていなかったので。けど別件で遊郭絡みの話題を偶々見掛けてから、あのとき一旦は封じ込めたもやもやが溢れて堪らんくなってしまった。
現時点での「歌舞伎町花街」の在り方に、人権侵害など問題があるんだとしたら、〝問題があるんだよ〟って描いてくれるだけでいい。問題なのに問題視されてない、しかも推しがその問題を温存するのに加担して何食わぬ顔で笑ってるのかもしれないっていうのが一番嫌なので。
「ジグせんせい」の何回目かで〝士官学校には女学生さんもたくさんいるし、俺が生まれたお江戸の頃とはぜんぜん違う時代なんだなあって感じるよ〟みたいに言った十手に〝女学生って、言い方古すぎんだろ……〟って突っ込んだジグの、あれくらいの台詞だとしてもあるとないとじゃぜんぜん印象違うと思うのだけどな。
ジグのそれは〝そういう意味〟ではないのかもしれないけど、でもメタ的には〝そういう意味のフォロー〟としても聞こえるから。