「…………ファウスト…………!?」
「な……なんでそんなにびっくりしてるんだ。手紙、読んでくれたんじゃなかったのか?」
「てがみ……よんだ……あの、かわいいやつな……?」
「可愛い……? まあ、読んだならいい。……それにしても、ネロ、……ひどい顔してる。よっぽど、つらかったんだな」
「……うん」
「……。そうか」
「うん……」
「……いつもそのくらい素直ならな」
「あんまり素直だと、あんたは煙たがるでしょ」
「そんなことは……。ネロは、隠しすぎるから。どこでどれだけ無理させてしまってるのか、なにをどれだけつらがってるのか、分かりにくい。それは、僕の力不足なのだろうけど……きみのことを分かれないのは、少し、……胸が苦しい。きみのこと、きみが僕を分かってくれるくらいには、分かれたらいいのにって、いつも思う。それは、煙たいだろうか」
「……。…………俺、今、あたまいたいから、あんまり難しいことは考えれねえや」
「……ゆっくり休んで。僕がしてやれるのなんか、大したことはないけれど……ネロが望んで、僕にできることなら、本当になんでもしてやりたい。せめて今日みたいな日くらいは。
それで、体調が戻ったら……ちゃんと教えて。僕がネロのこと、分かりたいって思ってること、きみは一体どこまでなら、許してくれるつもりがあるのかを」
しっと

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